第25回 後発医薬品採用 相談を (平成18年4月28日(金)掲載分)

最近、テレビや新聞で「ジェネリック医薬品を使うと、お薬代が安くなります。」といった広告をご覧になった方も多いことでしょう。
 この「ジェネリック医薬品」とはいったいどういう医薬品を指すのでしょうか?日本語では「後発医薬品」と呼ばれ、これに対しては「先発医薬品」があります。
先発医薬品と後発医薬品の主な違いは下の表をご覧ください。
 今年4月から、医師は薬を処方するとき、先発医薬品を処方した場合でも、後発医薬品でも構わないと判断すれば、”処方せん”の「後発医薬品への変更可」という欄に、記名押印か署名して交付します。その処方せんを受け付けた薬局では、患者さんと相談し、後発医薬品に変更して調剤することもできるようになりました。
 後発医薬品を使用すると”薬代”は安くはなりますが、薬局では薬代以外に調剤基本料や調剤料などが必要なため、薬局での支払いがそのまま3割とか5割引になるのではありません。
 医療で使用する医薬品は1万種類以上にも上り、医薬品によっては一つの先発医薬品に対して二十を超える後発医薬品があるものもあります。それぞれの薬局が全ての医薬品を在庫しておくことはとても不可能です。初めは希望する医薬品がなくても、時間をいただければ取り寄せるとか、次回までに揃えておくなどのこともできますので、ご希望の方は薬局でご相談ください。

先発医薬品(ブランド医薬品)
製薬メーカーが、成分から開発した医薬品。
新しい薬の開発には、10年以上の歳月と膨大な研究開発費をかけ、必要な動物試験や臨床試験等も行って製品化されている。
市販されてからの使用実績も多い。
<メリット>
△開発メーカならではの有効性、安全性、製剤の安定性など、多くの情報が蓄積されている。
△流通が安定し、多くの薬局で在庫がある。
<デメリット>
△研究開発費が価格に含まれるため、薬価が高い。

後発医薬品(ジェネリック医薬品)
特許の有効期限が切れた先発医薬品と有効成分、分量、効能、規格等が同じ医薬品。
毒性試験や臨床試験、安定性試験などが省略できるため、開発費や期間が少なくてすむ。先発医薬品と同じ効果を期待されるが、添加物、賦形剤、製法等は異なるため、全く同一とはいえない。
<メリット>
△先発医薬品に比べて価格が安い。
<デメリット>
△安全性や製剤の安定性の情報が少ない医薬品もある。
△安定供給が不十分、または流通が少ない医薬品もあり、すぐ調剤できない場合もある。
△症状によっては使用できない医薬品もある。

第26回 漢方薬は”証”が大切 (平成18年5月26日(金) 掲載分)

 「薬」はもともと自然界の動植物や鉱物などの中で、薬として働く成分(薬効成分)を含むものを利用したことが始まりです。
 西洋医学では、その中に含まれる薬効成分を具体的に突き止めて、構造を明らかにし、化学的に合成加工したものを薬として使っています。
 これに対して、漢方医学では、薬効成分を含む天然物を、自然のまま丸ごと使うのが基本です。このような漢方薬の材料として利用されるものを「生薬(しょうやく)」といい、異なる働きをもつ生薬を配合し、それぞれの病態に適する組み合わせや量を定め、それに名前(処方名)を付けたものが漢方薬です。一つの生薬を単独で使うよりも、幾つか組み合わせるほうが働きを高めることができます。また、生薬同士の相乗効果で新しい作用を生み出すこともあります。さらに、副作用をできる限り抑えるように生薬の組み合わせが工夫されています。
この点で、薬効成分を含む天然物を単独で用いる民間薬(例えば、ゲンノショウコやドクダミなど。)とは異なります。
ところで西洋医学では、まず、様々な検査などを行って病名を診断し、その上で治療法を決めますが、漢方医学では、患者さん個々の「証(しょう)」を重視して診断と治療が一つの流れの中で行われます。
 「証」とは、患者さんを体格、症状、病気の状態、心の状態といった様々な観点から細かく診断する漢方医学独特の概念です。西洋医学的な病名が同じでも、その患者さんが虚弱であるか体力があるか、痩せているか太っているか、症状の表れ方や進行状況などによって使われる漢方薬は違うことが多いのです。
 例えば、風邪の引き始めに用いる漢方薬に「桂枝湯」と「葛根湯」があります。「桂枝湯」は、主として体力のない虚弱な方で、ゾクゾク寒気がするのに、自然にじとっと汗が出ているときに使います。一方、「葛根湯」は、比較的体力がある方で、寒気がして汗が出ず、首筋から背中にかけて筋肉がこわばった感じがする時に使います。
 このように、病名は風邪でも、患者さんのその時の身体状態などに合わせて薬を決めるのが漢方医学です。
漢方薬は、煎じ薬だけでなくエキスを抽出して錠剤や顆粒状にしたものもあります。漢方専門医や漢方薬について詳しい薬剤師がいる薬局でご相談下さい。

第27回 漢方薬にも副作用 平成18年6月30日(金) 掲載分)

 漢方薬は、自然由来のものだから作用も穏やかで、副作用もないと思われている方も多いのではないでしょうか?
しかし、薬には病気の治療や予防のためになる作用もあれば、一方では病気の治療や予防に不必要だったり妨害になる作用もあります。漢方薬でも同じことで、後者のような作用を副作用といいます。
特に、高齢の方は一般的に免疫機能や肝臓・腎臓などの機能が低下し、薬の分解や排泄に時間がかかり、副作用も出やすくなります。
 漢方薬は”証(しょう)”によって薬が決まり、同じ病名でも人によって使われる漢方薬が異なります。虚弱な人に誤って体力のある人向きの漢方薬を使った場合や、その逆の場合も、共に好ましくない反応が起きることがあります。漢方薬の誤用によって、下痢や食欲不振、吐き気などの軽い胃腸障害が起きやすいといわれています。「小柴胡湯」をはじめ「柴胡」を含んでいる漢方薬では、まれに肺の肺胞と肺胞の間(間質)に炎症がおき、線維化して肺が硬く縮んでゆく「間質性肺炎」を起こすことが警告されています。これらの漢方薬をのんでいて、もし、発熱や乾いた咳、呼吸困難などの症状が出たら、すぐのむのを止めて、医師や薬剤師に相談してください。かぜの初期症状に似ているので、特に注意が必要です。
 漢方薬処方の約70%に使われている「甘草」は、過剰に摂取すると、甘草の主成分であるグリチルリチンによって、ナトリウムの再吸収が促進されて体内に貯留し、カリウムは排泄が促進され、浮腫、高血圧、、四肢麻痺(まひ)、低カリウム血症などの症状が出る偽アルドステロン症という副作用を起こすことがあります。漢方薬を数種類のむとか、高齢の方で漢方薬を長期間のんでいる場合は注意が必要です。
 漢方薬だから副作用の心配がないというのではなく、正しく用いることで、副作用を防ぐこともできます。
 漢方薬に限らず、薬の副作用を予防するためには、薬をのむ前にはなかった、悪心・嘔吐、手足のしびれ、全身倦怠感、血圧上昇、むくみなどの初期症状を見逃さずに、このような症状が出たら、医師や薬剤師に相談することが大切です。

第28回 漢方薬 のむ時間は? (平成18年7月28日(金) 掲載分)

 漢方薬の多くは食前または食間にのむようになっていますがなぜでしょうか?
 漢方薬に限らず、薬をのむ時間(服用時間)は、薬の性質、吸収状態、効果、安全性などあらゆる角度から検討されて決められているのです。したがって、薬を渡されるときに説明された服用時間を守ってのむことが、薬を安全で効果的に用いる上で大切なことです。
 食前とは、食事の30分位前、食間とは食後少なくとも約2時間たってからで、食事と食事の間と考えてください。食前も食間も、胃の中に食物がない空腹状態です。
 ほとんどの漢方薬は、一つの成分だけでできているのではなく、多くの成分が含まれています。これらが小腸から吸収され、血液によって運ばれて薬が作用する場所(作用部位)に到達して効果を発揮するのです。
 漢方薬の有効成分の多くは、グルコースやガラクトースなどの”糖”が何個か鎖状につながった”オリゴ糖”と結合した「配糖体」という状態にあります。これが腸内細菌によって「糖」の部分と「有効成分」の部分に分解され、吸収されやすい形になって効果を現しています。そのため、空腹時にのむほうが速やかに小腸に届き、腸内細菌による分解が進み、効果が出やすくなるわけです。
 また、鎮痛作用のある附子(ぶし)の主成分であるアコニチンや鎮咳作用のある麻黄(まおう)の主成分であるエフェドリンは、一般に作用が強く、ときに動悸(どうき)や息切れなどの症状が出ることがあります。このような成分を含んでいる薬は、胃酸によって吸収が抑えられ、緩やかに作用するため、胃酸の比較的多い食前や食間の空腹時にのむほうが安全といえます。
 ただし、胃酸の分泌を抑える制酸薬や胃潰瘍治療薬のH2ブロッカーなどをのんでいる場合は、アコニチンやエフェドリンなどによる副作用が出やすくなる可能性があります。 他の薬と一緒にのむような場合や、胃腸が弱くて空腹時に薬をのむと胃腸障害がひどくなる方は医師や薬剤師によく相談してください。

第29回 民間薬 どう利用? (平成18年8月25日(金) 掲載分)

 民間薬と漢方薬は混同されて理解されていることが多いようですが、違うものです。例えば、ハトムギ茶やドクダミ茶のようなものは民間薬であり、漢方薬ではありません。
 民間薬とは、センブリ、ドクダミ、ゲンノショウコなどのように、古くから一般に言い伝えられたり経験によって利用されてきた身近な薬草などです。野山で採取して使用することもできます。センブリやゲンノショウコなどは、この時期に採取できます。
民間薬の多くは、一種類の薬草を煎じたりお茶のようにして飲みます。
 センブリは、千回振り出しても(煎じても)苦みが残っているというくらい苦みが強く、苦味健胃薬として知られています。消化不良、食欲不振、胃痛などに、全草を粉末にして、1日3回耳かき1杯くらいを飲むか、乾燥したセンブリ1〜2本をコップに入れ、熱湯を注ぎ冷まして飲みます。
 ドクダミ(十薬)は、できもの、皮膚病、常習便秘に1日量として乾燥した葉や茎10〜20gに水約600mlを加えて10分くらい煎じて数回に分けて飲みます。膿をもったおできに、生の葉をアルミホイルにくるみ、弱い火にかけトロトロにしたものを貼ると膿を吸い出してくれます。
 ゲンノショウコは、下痢止め、腹痛や胃腸の調子を整えたり、便秘にも使われ、下痢止めなどには、1日量として乾燥した全草10gに水約500mlを加えて半量になるまで弱火で煎じてこした後、温めて適宜2回に分けて飲み、便秘には乾燥した全草2gに熱湯約200ミリリットルを注ぎお茶のように飲みます。
 オオバコの葉は車前草ともいい、咳止めや痰切り、整腸などに、1日量として乾燥した葉10〜15gに水約500mlを加えて半量になるまで弱火で煎じてこした後、3回に分けて飲みます。
 薬草の中には医薬品として刻んだものや手軽に飲むことができるようティーバックのものも販売されていますので、薬局・薬店で購入することも出来ます。
 ただし、軽い症状や病気の初期に民間薬を使用しても、症状の改善が見られない場合は医師の診断を受けることが大切です。

第30回 薬草茶で健康維持 (平成18年9月27日(金) 掲載分)

 今回は、薬草茶についてご紹介します。
 薬草の利用法としては、煎じる・生のまま・焼く・蒸すなどありますが、「煎じる(お茶にする)」という利用法が一番多くなっています。
 薬草茶は、薬草の成分を水に溶け出させ、それをお茶のように毎日飲むことで健康維持に役立てようというものです。
 まず、薬草茶の一般的な作り方としては、乾燥した薬草(葉や茎・根茎・種子など)を所定の量だけ量り、鉄製の鍋は避けて土鍋などに入れ、500から600mlくらいの水を加え、弱火かとろ火で番茶のように煮出します。
 種子を使用する場合は、あらかじめ炒(い)ったり水に浸したり、少し押しつぶした後煎じると成分が溶け出やすくなります。煎じる時間は、薬草によって異なりますが、5分から30分くらいです。煎じ終わると必ず熱いうちに茶こしやガーゼなどで漉してください。
 次に飲み方ですが、煎じたものはその日のうちに、3回から数回に分けて飲みます。冷めたいものは胃腸を刺激することもあり、空腹時に適量を温めて少しずつ飲みます。
 薬草茶は、健康維持や予防目的が主で、薬草茶だけで病気の治療ができるものではありません。また、量を多く飲めば効果が上がるというものでもありません。
よく知られている薬草茶について、1日の使用量や効用などを表にまとめましたので、ご参考になさってください。

薬草茶名効 用 ・ 目 的 な ど1日の分量)
クコ茶葉を煎じたもので、ルチンが多く、高血圧、頭痛、肩こり、疲労回復などに用います。
赤く熟した果実は、薬用酒にもなります。
葉 5~10g
ゲンノショウコ茶葉や茎に熱湯約200mlを加え、胃腸が弱っている時や便秘気味の時に用います。葉茎  2g
ドクダミ茶葉や茎を煎じ、便秘や高血圧予防に用います。
乾燥すると臭みの成分は変化して臭いは弱くなります。
種子 10~30g
ハトムギ茶実を砕いて炒ったものを煎じ、胃弱や下痢、神経痛などに用います。種子 10~30g
ハブ茶1.エビスグサの種子(決明子)を煎じたもので、腸を温めて便通を良くするので整腸、
その他高血圧予防、神経痛、リウマチなどに用います。▼2.ハブソウの種子を煎じたものも
ハブ茶と言い、ほぼ同じ効用です。▼エビスグサとハブソウは、同じまめ科で外観や効用が
類似しており、混同して使われているようです。
種子10~15g
混ぜ合わせたものゲンノショウコ10g、ドクダミ10g、決明子5gを混ぜ合わせて煎じたもの、または、
ドクダミ茶とハブ茶を半量ずつ混ぜたものを高血圧予防に用います。

第31回 薬剤師の”出前”とは? (平成18年10月27日(金) 掲載分)

今回は、薬剤師が携わる在宅業務について取り上げます。
 私たち人間は、加齢による身体機能の低下や予期せぬ病気や事故などで入院したり、自宅で治療することが必要になってくる場合があります。そのような時は、ほとんどの場合、何らかのお薬をのみながら日常生活を送ることを余儀なくされます。
 薬剤師や看護師、介護士さんが身の回りの世話をしてくれ、お薬をのまなければならない時間になると準備してくれる病院や診療所、特別養護老人ホームなどでは、自分自身で薬ののみ方・保管方法・起こりうる副作用など覚えていなくても、比較的安全に薬をのんで、治療を受けることができます。
 しかし、自宅で治療しなければならない場合はどうでしょうか。在宅で治療されている患者さんから、「もらった薬がたくさんあるけど・・・いつのむんだったかなぁ?食後、いや食前?一日何回だったかなぁ?なんて迷って、のみ方が分からなくなることがしばしばある」という声をよく耳にします。それが一人暮らしのお年寄りの方であればなおさらでしょう。
 そのような場合に、主治医の指示を受けた薬剤師が患者さんのお宅を定期的に訪問し、薬の管理、のみ方、安全にのむためのアドバイス、日常生活における注意点などを説明したり、オムツなど介護用品に関する相談を受ける制度があります。
 医療環境の変化に伴い、今後このような需要が益々増えることが予想されます。今のところ全ての薬局や薬剤師が対応できているわけではありませんが、そのような要望にお応えできるよう薬剤師会でも取り組みを進めています。
 お薬の管理などでお困りの方は、かかりつけ薬局や薬剤師にご相談ください。

第32回 子どもののませるには  (平成18年11月24日(金) 掲載分)

 「うちの子供は薬をちゃんとのめなくて困るんです。なにか良いのませ方はありませんか?」というお母さん方も多いのではないでしょうか。
 最近の子ども用の粉薬は、甘く加工されてのみやすいものもありますが、中には苦いものもあり、小さな子供さんにとって、薬をのむことはなかなか大変なことです。
 薬は決められた量をきちんとのまないと、効果が期待できません。今回は、小さな子どもさんにうまく薬をのませる工夫と注意点についてご紹介します。
 (缶瑤鮠皿か杯に入れて、そこに水を数滴落として良くかき混ぜベトベトにします。それを指かスプーンで上あごにくっつけてから水でのみ込ませます。
 ∋匐,旅イな甘いものに混ぜて一緒に食べさせます。たとえば、アイスクリームやヨーグルト、ハチミツ(1歳以上)、すりおろしリンゴ、ジャムやピーナツクリームなど。
 苦味を隠すには、チョコレート味のアイスが良いとも言われます。ただし、組み合わせによっては混ぜるとかえって苦味が強く出るものもありますので注意が必要です。
また、薬が溶けると苦味が出る恐れがありますので「さっと混ぜてすぐ食べさせる」がポイントです。
 6譴な缶瑤呂發舛蹐鵝⊂剤やカプセル剤などにも使える、のどごしの良いゼリー状のオブラートが市販されています。のみやすい味付けがされており、薬の味や臭いを包んでつるりとのませられるのでとても便利です。使い方などは薬局などでおたずねください。
 ぜ乳中の赤ちゃんの場合、薬をミルクに混ぜてのませると、薬によってはミルクの味がまずくなって、その後ミルクを飲まなくなることもありますので注意しましょう。
 ナ缶瑤分けて包まれているときに、のむ時間が同じだからと粉薬を混ぜてしまうと、薬の苦味が強く出ることもあります。分けられている薬は自己判断で混ぜたりせずに、医師や薬剤師などの指示を守ってのませてください。
 病気の治療に薬は欠かせません。小さな子どもさんにもきちんと薬をのんでもらうために、子どもさんが薬嫌いでお困りの方は、ぜひかかりつけ薬局にご相談ください。

第33回 薬をのみやすくする  (平成18年12月29日(金) 掲載分)

 高齢になると、ものを「のみ込む」機能が低下しがちです。そうなると薬をのむのも難しくなってきます。例えば、粉薬にむせるとか、錠剤やカプセルをのみ込むのが苦手になるなど。
 今回は、そんな高齢の方、寝たきりの方などが薬をのむときに、少しでものみやすくするコツをご紹介します。
 1.薬をのむ前に少し水を飲んでおく
 高齢の方は唾液(だえき)の分泌が減って口やのどが乾きがちになり、カプセルなどが引っかかりやすくなっています。薬をのむ前に一口水を飲んでおくと、口やのどが潤って薬ものみ込みやすくなります。
 2.オブラートを利用する
 粉薬だけでなく錠剤やカプセルもオブラートを利用することでのみやすくなります。薬をオブラートに包み、水に浸して表面をトロトロにしてのむと、簡単にのどを通ります。また、ゼリー状のオブラートを利用すると味やのど越しがよく、つるりとのむことができます
 3.とろみ調整剤の利用
 水やお茶、味噌汁などにくず湯のようなとろみをつける「とろみ調整剤」も利用できます。寝たきりの方などは薬や水が気管に入ってむせやすいため、とろみをつけたほうがのみやすくなります。
 4.のみやすい剤形(バリアフリー製剤)への変更を考える
 これまでのものとは少し違う、のみやすく工夫された薬も出てきています。例えば、ラムネ菓子のように口の中でサッと溶け、水なしでものめる錠剤(口腔=こうくう=内崩壊錠など)や、つるりとしたゼリー状ののみ薬、口の中で溶けるフィルム状の薬などです。普通の錠剤などがどうしてものみにくい方は、医療機関や薬局でこうした薬がないか相談してみるのもいいかもしれません。
 高齢・寝たきりの方は、のむ薬の種類や数も多くなりがちです。そうした状態で薬をのむのが苦手になると、のまないことでさらに病気が悪くなるという悪循環に陥ってしまうことにもなります。薬をきちんとのめるよう、のみやすくする工夫などもご相談ください。

第34回 子どもと解熱薬  (平成19年 1 月26日(金) 掲載分)

 寒いこの時季は、大人も子どもも風邪を引いたり、インフルエンザの流行などで、発熱やせき、のどの痛みなどの不快な症状に悩まされ、急患センターを訪れる患者さんも多くなります。
 小さなお子さんが熱を出し、家庭で解熱薬(熱冷まし)をのませるべきか悩まれることもあると思いますが、そのとき手近で家にあった大人用の解熱薬を、量を少なくしてのませることは危険です。
 その理由は、インフルエンザや水ぼうそうなどのウイルス性疾患にかかっているときに、アスピリン・サリチル酸ナトリウム・サリチルアミドなどのサリチル酸系薬剤、エテンザミド、ジクロフェナクナトリウムを含んだ解熱剤をのませると、嘔吐(おうと)、意識障害、けいれん等の急性脳症(ライ症候群)を起こすことがあり、大人用の解熱薬にはこれらの成分が含まれていることが多いからです。
 発生頻度は非常に少ないものの、一度発症すると死亡率が高いので、のませないことが重要です。特に、インフルエンザや水ぼうそうなどの初期はかぜの初期症状と似ていて区別が難しく、熱があるからと安易に解熱薬をのませることは禁物です。
 ただ、インフルエンザが流行している時季などに発熱などがあり、インフルエンザの心配がある場合は、早めに医師の診察を受けるようお勧めします。
 発熱は、身体の中に入った細菌などを熱で死滅させようとする、生体防御反応の一つです。そのため、無理に薬によって熱を下げるのも考えものです。生後6ヶ月以上の子どもの軽微な発熱の場合、食欲があり、元気でぐったりせず、十分に睡眠が取れておれば、必ずしも解熱薬をのませる必要はありません。冷たいタオルで頭部を冷やしたり、あまり厚着をさせないようにし、汗をかいていればよく拭いて下着を取り替え、水分を補給して安静にさせます。食事や睡眠が十分に取れず、苦しそうなら、医師の診察を受けましょう。もし、38.5℃以上の熱があれば解熱薬をのませるか、早めに医師の診察を受けましょう。
 インフルエンザなどによる発熱にも使用できるアセトアミノフェンという成分を含んだ小児用の解熱薬も市販されていますので、薬局などでご相談下さい。

第35回 禁煙治療にも保険適用  (平成19年2月23日(金) 掲載分)

 タバコの害は喫煙者本人ばかりでなく、喫煙しない周囲の人へも及ぶことから公共の場をはじめ喫煙できる場所の制限など愛煙家には厳しい情勢になり、この際禁煙しようかと考えている方も多いと思われます。
 タバコに含まれるニコチンは、麻薬と同じように依存性物質として、精神的依存と身体的依存の両方の作用を持っています。その強い習慣性のために、禁煙することが難しいのです。
 喫煙を単なる習慣や嗜好(しこう=好み)と考えるのではなく、ニコチン依存症という病気として治療を行うという考え方で、健康保険での禁煙治療が可能になっています。
 健康保険で治療ができるのは、.縫灰船鶲預絃匹坊犬襯好リーニングテストで、ニコチン依存症と診断され、一日の喫煙本数×喫煙年数の値が200以上で、D召舛剖惘譴垢襪海箸魎望し、ぁ峩惘貅N鼎里燭瓩良現犲蟒臀顱廚砲里辰箸深N鼎鮗けることを文書により同意した方で、医師がニコチン依存症の管理が必要と認めた場合です。
 この条件を満たして禁煙治療を受けることになれば、2週間毎に診察やカウンセリングを受け、禁煙補助剤(ニコチンパッチ)の投与を受けながら、12週間の治療が保険適用となります。
 禁煙が続かない原因の一つに、身体からニコチンが抜け出る際に起こるイライラ、頭痛、倦怠感(倦怠感)などの禁断症状があります。治療は、ニコチンをたばこ以外の禁煙補助剤から補給し、不快な禁断症状を軽くして禁煙に成功するというニコチン置換療法が行われます。
 喫煙は肺ガンなどガンの発症を高め、また、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの危険性をも高めますが、禁煙によりそれらの危険性は低下します。
 そこで、禁煙したい意思のある方は、健康保険での治療を行っている病院や診療所にご相談されることをお勧めします。
 なお、病院等に行く時間のない方や、手軽に禁煙したいと思われる方は、薬局で禁煙補助剤のニコチンガムが販売されていますので、薬剤師にご相談ください。

第36回 より信頼される存在へ  (平成19年3月30日(金) 掲載分)

 今年4月から、医療に関する規定を定めた「医療法」の中で、薬局も病院や診療所と同じく”医療提供施設”として位置付けられます。
 また、薬局薬店で販売されている一般用医薬品(大衆薬)が、副作用などのリスク(危険)に応じて第一類から第三類までの3つのグループに分類されることになりました。2年後には、これらの大衆薬は、リスクの程度が包装(パッケージ)に表示され、分類毎に区別して陳列されるようになります。
 第一類医薬品は、薬剤師のみが取り扱うことができ、消費者の方が直接触れることができないように、カウンターの内側に陳列され、販売に当たっては、医療用を含む他の薬との相互作用や医療機関の受診状況などを確認して、適正に使用するための情報を提供するよう義務付けられます。
 これは、薬局・薬店の薬剤師らによる適切なアドバイスの下で、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てするというセルフメディケーションの考え方を取り入れたものです。
 さらに、医薬分業の進展や医療の質的向上という社会的要請に応え得る薬学教育の必要性などから、昨年4月の薬科大学や薬学部の新入生から6年制となり、医師・歯科医師・獣医師と同じ修業年限となりました。
 一方、既に卒業して、病院・診療所や薬局などで業務に携わっている薬剤師は、それぞれの職場での日々の実践に加え、各種研修会への積極的な参加を通じて、より社会に貢献できる薬剤師となるよう、日本薬剤師会や各都道府県の薬剤師会で取り組んでいます。
 高知県薬剤師会でも、会員である薬局・薬剤師の資質の向上を図り、地域医療や在宅医療に貢献できるよう、また、地域における最も身近な健康相談の場を提供できる「かかりつけ薬局」となるよう研さんを積んでいます。 お気軽にくすりや健康食品などについて、薬剤師にご質問やご相談ください。
 平成16年4月から毎月1回「薬だつ情報」として薬に関連した情報を掲載して参りましたが、今回をもって連載を休止することになりました。長らくのご愛読ありがとうございました。

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