2.お薬の用法用量

A1 (薬の飲み方には食前や食後などの指示がありますが、どうしてですか?)

 薬を飲む時期は、通常食事に合わせて決められており、「食前」「食後」「食間」に分けられます。このように分けられるのは、薬の効果や副作用の発生に食事が影響するためです。
<食前>・・食事の20〜30分前を指します。
漢方薬、貧血に用いる鉄剤やある種の抗生物質など、食後の吸収が悪いものがあります。また、胃酸の分泌を促して食欲を出すための薬や、食後に血糖値が高くなるのを抑えるための糖尿病の薬、食後に発作の起きやすい狭心症のための薬なども、その作用から食前に服用します。
<食後>・・食事の20〜30分後を指します。
この時間には、胃の中にまだ食事が少し残っており、胃に刺激が少なく程良く吸収されるので、多くの薬は食後服用の指示が出されます。
「食直後」という指示もありますが、これは、食事をした後すぐのことです。ビタミンAやDなどの油性のものは、油の吸収を助ける胆汁が十分に腸内に分泌されている食直後の方が吸収が良いからです。また、胃腸障害を起こしやすい鎮痛剤やある種の抗生物質などもこの時間に飲みます。消化薬も当然食事の直後に飲む必要があります。
<食間>・・食事と食事の間で、食後2時間あるいは食前2時間くらいを指します。食事中ではありません。
空腹時の胃酸の分泌を抑えたり中和させたりする胃炎の治療薬や、下痢止めなど胃粘膜に作用する薬は、この時間に飲みます。
<就寝前>・・眠りにつく前30分以内を指します。
喘息発作やリウマチの痛みなど、夜半から明け方に出やすい症状を抑える薬などは、就寝前に飲みます。その他、朝の便通を良くするための緩下剤や夜間に目が覚めるのを抑える睡眠薬なども、この時間に飲みます。

A2 (6時間おきに飲むよう指示されましたが、夜中にも起きて飲む必要がありますか?)

 薬が効果を現すためには、身体の中に一定の濃度以上の薬があることが必要です。薬を飲むと、吸収され血液中の濃度は上がりますが、時間の経過と共に肝臓で分解されたり、腎臓から尿中に排泄され濃度は下がります。効果のある血液中の薬の濃度を保つためには、一定の時間に薬を飲む必要はあるわけで、6時間おきとか8時間おきに飲むよう指示されるのは、常に効果を示す血中濃度を保つためです。
 この時間は、ある程度の幅はありますので、6時間おきと指示された場合は、朝起きたときと、寝る前、あとの2回は間隔が均等になるよう起きている時間帯に飲むようにするなど、できるだけ間隔があく時間が6時間を大きくずれないように注意すれば良いでしょう。

A3 (1日に1回飲むように指示された薬は、何時飲んでもかまいませんか?)

1日1回飲む薬の中には、朝飲むものや寝る前に飲むものなど、服用時点の決まっているものがあります。例えば胃潰瘍の薬の場合、夜間に潰瘍が進むことが多いので、夕食後又は寝る前に飲みます。明け方に発作の起きやすい喘息や心筋梗塞の薬も、寝る前に飲みます。一方、尿を出させる目的で飲む利尿剤などは、夜まで効いてしまうと夜中にトイレに起きなければならなくなり大変なので、朝飲みます。このように、薬を飲む時間には理由があるのです。
 特に何時飲むか指示のない場合は、どの時間帯に飲んでもかまいませんが、薬が効果を現すためには、血液中に常に一定の濃度以上の薬があることが必要なため、日によって朝飲んだり夕方飲んだりしては、十分な効果が期待できませんので続けて飲む薬は、一定の時間帯に飲むようにして下さい。
 ただし、痛み止めなどのような頓服薬は、その症状が現れた時に飲むことになります。

A4 (急に飲むのを止めてはいけない薬には、どんなものがありますか?)

 これは、薬で抑えていた病気や症状が、薬を中止することによって再び現れるためです。また、薬を飲んでいる状態に身体が馴れてしまっている場合、薬が急に身体の中から無くなると様々な反応を現すこともあります。
 このような状態を起こす薬には、慢性関節リウマチや気管支喘息に用いられる副腎皮質ホルモン剤、高血圧に用いられるベータ遮断剤やカルシウム拮抗薬、精神病やてんかんの治療薬、一部の睡眠薬などがあります。
 このような薬を止める場合は、徐々に量を減らしたり、他の薬に切り替えたりしながら中止します。
 医師が処方した薬について、医師の指示がない限り、勝手に症状が改善されたからと言って自己判断で飲むのを中止するのは危険な場合もありますので、必ず医師や薬剤師に相談して下さい。

A5 (薬を飲み忘れた時は、次回にまとめて飲んでもかまいませんか?)

忘れたからと次回にまとめて2回分飲むのは止めましょう。量が倍になり、副作用が出たり、危険な場合もあります。
 次に飲む時間に近い場合は、飲み忘れた1回分を抜いて次の分を飲んで下さい。
 次回までに時間がある場合は気が付いたらすぐ飲み、次回に飲む時間を少し遅らせて飲みます。1日3回飲む場合は4時間以上、1日2回の場合は6時間以上、1日1回の場合は12時間以上時間を空けてから飲むと良いでしょう。
  ただし、糖尿病の薬は、食事をしないのに飲んでしまうと、低血糖を起こすことがあり危険です。

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